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パニック障害で発作が怖くて外出できない人へ【原因と対策】

この記事は次の流れで書いていきます。

 

1.最初のパニック発作(動悸やめまい)は突然ふいにやってくる。

 

2.予期不安と広場恐怖で外出するのが怖い。

 

3.パニック発作の原因と対処法を知れば早く治ります。

 

発作の不安でたまらない方にとって、少しでも回復のヒントになれば幸いです。

1.最初のパニック発作は突然ふいにやってくる。

最初の発作は、突然ふいにやってきます。

 

私の場合、研修で講義を聞いている時に突然、ドキンドキンと激しい動悸が始まったのです。

 

これは心筋梗塞かも!心臓がやばい!死んでしまう!

 

そう思った瞬間、どんどん息が苦しくなって、めまいにも襲われ、油汗がどんどん出てきました。

 

それはもう、怖くて怖くて、苦しくて苦しくてたまらない時間でした。

 

死の恐怖で錯乱しそうで、どんどん呼吸が乱れ、制御不能状態に陥って、何度も気を失いかけました。

 

みなさんも、突然ふいに激しい動悸や呼吸困難に襲われたのではないでしょうか。

 

いったい何が起こったのか、このまま死んでしまうのかと、あまりの恐怖で救急車を呼ぶ方も多いと思います。

 

ですが、なぜか病院につく頃にはあれだけ激しかった症状は治まっていて、検査をしても心臓には異常がないのですね。

 

とはいえ、生きるか死ぬかの瀬戸際のような恐怖は、発作が治まった後も心の刻まれます。

 

私の場合は、「さっきのはなんだったんだ?次また起こるのではないか?次は死んでしまうのではないか?」

 

とどんどん不安になって、あまりの恐怖で落ち着いた生活ができなくなってしまいました。

 

みなさんも同じような症状で苦しまれているのではないでしょうか。

2.予期不安と広場恐怖で外出するのが怖い。

パニック障害の苦しさは、発作の苦しさだけではありません。

 

発作が起こっていない時でも、発作のことがずっと頭から離れなくて、強い不安と恐怖に襲われ続けるのが苦しいのだと思います。

 

私の場合、最初の大発作の次の日から「あれはなんだったんだ?」「また発作が起こるのではないだろうか?」「次は死んでしまうのではないか」とどんどん不安と恐怖に襲われるようになりました。

 

25年前の当時はパニック障害という病名は認知度が低く、私は得体のしれない恐怖と闘う心細い日々が続きました。

 

そして、少しでも呼吸の乱れや、動悸っぽいものを感じたら、「また発作かも!やばい!」と焦って気が動転してしまい、胸が苦しくなって、油汗がどんどん出てくるようになりました。

 

発作にならないように、油汗をかきながら必死で耐えているあの時間もまた、発作と同じように怖く苦しかったのです。

 

パニックの発作はあまりの恐怖ゆえにトラウマになりがちです。二度とあんな苦しい思いはしたくないと思うのです。

 

それゆえに「また起こったらどうしよう」という不安も強くなります。これが予期不安です。

 

また、発作が起こった場所や状況を避けたくなるのです。

 

そして、「逃げられない場所」が怖くなっていきます。これを広場恐怖といいます。

 

恐怖の対象はひとによって違うのですが、私の場合は「急行電車や新幹線」「映画館」「散髪屋さん」「初めて行く知らない街」などがとても怖かったですね。 

 

もし、電車に乗っている時に発作が起きたら・・・

 

もし、レストランや映画館や散髪屋さんで発作になったら・・・

 

もし、あそこで発作が起きたら・・・

 

そう思うと仕事に行ったり外出したりするのがとても怖くなりました。

 

この苦しみは永遠に続くのだろうかと当時は希望を見失うこともありました。

 

みなさんも、発作の苦しみだけでなく、予期不安や広場恐怖で苦しくなっているのではないしょうか。 

3.パニック発作の原因と対処法を知れば早く治ります。

パニック障害は性格の問題と思われがちですがそうではありません。

 

脳の機能障害(誤作動)であることがわかってきています。

 

脳の機能障害と言っても、大きな問題ではありませんので安心してくださいね。 

 

脳の青斑核というところが誤作動して「ノルアドレナリン」を間違ったタイミングで分泌してしまうだけの障害です。 

 

「ノルアドレナリン」というのは本来、ピンチや課題を乗り越えなければいけない時に分泌される大切なホルモンです。

 

「ノルアドレナリン」はピンチや課題を乗り越えるため、心拍数や血圧を上げて、全身にエネルギーを送ってくれる働きがあるのです。

 

しかし、現代社会はストレスや課題が多く、脳の青斑核はとても敏感で不安定なため、誤作動しがちなのです。

 

つまり、目の前にピンチや課題がないのにもかかわらず、「ノルアドレナリン」が分泌されてしまうのです。

 

ノルアドレナリンが突然ふいに分泌されるので、突然ふいに心拍や血圧が上がり、動悸やめまいに襲われるというわけです。

 

ですが、本人としてはビックリですよね。突然、心臓がバクバクして、ふらついたり、呼吸が乱れたりするわけですから。

 

まさに不意打ちをくらうような感じですから、死の恐怖を感じるのも無理はないと思います。

 

ですが、実は「ノルアドレナリン」が間違ったタイミングで出ているだけなのです。ただそれだけのことなのです。

 

そして、間違って分泌された「ノルアドレナリン」の効果はだいたい10分前後で、決して死ぬことはありませんので安心してくださいね。

 

ふいに動悸やめまいに襲われても、「これはノルアドレナリンだ。心臓の病気じゃないし、死ぬわけでもない」と冷静に受け止めればいいのです。

 

今までは、突然の動悸やふらつきの原因がわからず「やばいやばい!死ぬかも!」と焦ってしまってたと思います。

 

焦りと恐怖でますます呼吸が乱れて、過呼吸になり大きな発作になっていたのですね。

 

大切なことなので何度も言いますが、パニック発作は心臓の発作ではありません。

 

「ノルアドレナリン」が間違って出ちゃっただけです。そのせいでドキドキしたりふらついたりしていただけなのです。

 

これからは、心臓がドキドキしたり、発作が起こりそうな予感がしたときは次のように考えましょう。

 

●これはノルアドレナリンだ!脳からノルアドレナリンが出てるだけだ!

 

●ノルアドレナリンでドキドキしてるだけだ。心臓の発作じゃない。心臓が止まるわけではない。

  

●ノルアドレナリンでは死なないから、10分間やり過ごすだけだ。

 

過剰に分泌されたノルアドレナリンの効果はだいたい10分間です。

 

ゆっくり呼吸をしながら落ち着くまで待っていましょう。

 

以下の動画でも説明していますので参考にしてくださいね。

 

お一人で悩んでつらいときはいつでもご相談してくださいね。